ひとくちに小説と言っても、推理小説・大衆文学・ファンタジー・ホラー・純文学・SF・時代小説・歴史小説・少女小説・ボーイズラブ・児童文学など、実に様々な種類があります。
中には、ジャンル分けの難しいものもあります。
探偵小説やミステリーと呼ばれているもので、犯罪・事件を解決に導く小説のこと。推理小説を書く作家は、「推理作家」や「ミステリー作家」などと呼ばれる。
推理小説を専門に書いている作家と、推理小説だけでなく他のジャンルの小説も書いている作家もいる。
「怪奇小説」や「恐怖小説」とも呼ばれている、読者を恐がらせるために書かれた小説のこと。恐怖の対象として描かれているものは、神や霊、吸血鬼などというような超自然的なものであったり、異星人などの自然科学的なものであったり様々。
コズミック・ホラー、ゴシック・ホラー、カルトホラーなど、ホラー小説の中でもいくつかのジャンルがある。
主要な登場人物が歴史上実在した人物で、ほぼ史実通りの内容か、その時代を設定して、空想上の物語が書かれたものが展開される小説のこと。
主人公の行動あるいは言動に、著者が訴えたい物が組み込まれている場合もある。
『銭形平次』のように架空の人物を登場させるか、実在の人物を使っても史実と違った展開をする小説のこと。
史実や著者の訴えよりも面白さ、いわゆるエンターテインメント性を重要視したのが時代小説といえる。「時代劇」の小説版。
架空の世界や物・生き物・現象が登場する小説のジャンルで、SF小説や童話文学などと区別されるもの。幻想小説ともいわれる。
「ナルニア国ものがたり」、「指輪物語」などが代表的な作品。
サイエンス・フィクションの略。
日本語ではかつて「空想科学小説」と訳され、字義通りのジャンルだと考えられていたが、日本人作家の作品では、自然科学よりも人文科学や社会学系の作品が主流となっている。
「わたくし小説」とも呼ばれ、作者が自分自身の経歴や身の回りの出来事を語っている小説のこと。「心境小説」と呼ぶこともある。その作品の多くは、主人公=作者となり、精神的な成長や人格が深まっていく作者の内面描写を中心に描いている。
梶井基次郎『檸檬』などが代表的な作品。
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